カラダの機能の本質を捉えるための分析
KPLが提唱するフィジカル・パフォーマンス・ピラミッドのシリーズ第3弾。
前回の記事では、パフォーマンス向上の捉え方を深堀しましたが、今回は「動作」と「柔軟性」というフィジカル・パフォーマンス・ピラミッドの要素を詳しく掘り下げてみます。
目次
P.P.P.の実用的な細分化
フィジカル・パフォーマンス・ピラミッドにおいて、「動作」と「柔軟性」の細分化は、スポーツパフォーマンス向上を理解する上で不可欠です。
以下に、それぞれの要素を詳しく見ていきます。
動作:
1. 機能的動作
(Functional Movement)
2. アスレティック動作
(Athletic Movement)
3. スポーツ特異的動作
(Sports Specific Movement)
柔軟性:
1. 能動的可動域
(Active Range of Motion)
2. 受動的可動域
(Passive Range of Motion)
動作の細分化
a. 機能的動作: Functional Movement
機能的動作は、日常生活において不可欠な歩行や座位など基本的な動作を指します。
これらの基本動作が崩れることにより、肩こりや腰痛などの機能不全が引き起こされることがあります。また、これらの動作は体の基盤となります。
b. アスレティック動作: Athletic Movement
アスレティック動作は、スプリントやジャンプ、方向転換など、あらゆるスポーツで共通する基本動作を指します。
これらの動作のトレーニングは、効率的な身体の使い方や神経系のバランスを向上させるだけでなく、判断力を伴うアジリティトレーニングも含まれます。
c. スポーツ特異的動作: Sports Specific Movement
スポーツ特異的動作は、競技ごとに異なるスキルや技術の動作を指します。
例えば蹴る、スイング、投げるなどは競技に応じて異なり、また個々の選手によっても異なります。
そのため、これらの動作のトレーニングは基本的には、日々の練習の繰り返しよってのみ向上させることができます。
競技の特性に模倣させたトレーニングは一見効果的にも感じますが、必ずしもそうではなく、動作を分解することが重要です。
※模倣は、全く同じ動きをさせることをさしてます。
柔軟性の細分化
柔軟性(Flexibility)の定義は諸説がありますが、KPLでは、柔軟性は関節の可動域として定義し、解説します。
a. 受動的可動域 (Passive Range of Motion:PROM)
単関節における外的要因で関節を動かすことができる可動域。ストレッチなどによって広げることができる範囲を指します。
b. 能動的可動域 (Active Range of Motion:AROM)
単関節において、自分の意志で動かすことができる関節可動域。
受動的可動域よりも狭い範囲であり、2つの可動域のギャップが大きいと、怪我のリスクも高まります。単純に体が柔らかいというだけでは、パフォーマンスの向上は見込めません。
まとめ
「動作」と「柔軟性」を細分化することは、スポーツパフォーマンスの向上を考える上で重要な要素となります。
これらの要素を理解することで、より効果的なトレーニングを組むことが可能となります。
次回は、フィジカル・パフォーマンス・ピラミッドが、実際のパフォーマンスの状態において、どのように変化していくのかを触れてみますので、お楽しみに。
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